ノーベル化学賞の吉野さんがスーツの胸のあたりに付けていたあれですよあれ。カラフルな円盤。あれは何?
これはSDGs(エスディージーズ)と呼ばれるもので、2015年に国連サミットにて採択された17のゴールをパレットのように各色に込めて2030年までの実現を目指そうというもの。
つまりノーベル賞受賞者に配られたものでは無く、このSDGsの活動に賛同する世界中の企業が「我社は国際目標のためのSDGsへ意識的な取組みをしています」と宣言しているようなもの。吉野さん場合は所属する旭化成が取り組んでいる。
SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で17の各色にはそれぞれ意味があり、以下の目標から構成されている。
SDGs17の目標
企業とSDGs
大手企業ではSDGsへの取組みを表明していない企業を探すのが難しいくらい、どこの企業も自社のビジネス領域の中で、先にあげた17の目標(カラー)のどの分野に貢献できるかを具体的な活動として掲げている。
企業や自治体等が積極的に取り組むには理由があり、SDGsに取組まないこと自体が環境への配慮や、グローバルな課題を軽視している企業として顧客からの支持を失う可能性(リスク)に繋がるとも考えられるからだ。
コーヒー業界とSDGs
コーヒーとSDGsの関係はとても密接だ。というよりもSDGs以前から、業界ではこういった環境や貧困問題への警鐘が鳴らされ続けてきた。
「サステイナブルコーヒー(sustainable coffee)※1」やコーヒー豆パッケージやカップに印字されているカエルマークの「レインフォレスト・アライアンス ※2」など様々な先駆的な活動がそれに当たる。
※1 農家に適正な価格を支払い、自然環境や人々の生活を良い状態に守られることを目指して生産されたコーヒーのこと。
※2 緑のカエルの認証マークは、農業、林業、観光業の事業者が監査を受け、環境・社会・経済面のサステナビリティを義務付けた基準に準拠していると判断されたことを意味する。
プラスチックストローをやめて紙やサトウキビのストローを取り入れたり、コーヒーカスを再活用した消臭剤や肥料、容器などもコーヒー業界ならではの活動だろう。また店舗提供のカップを使い捨てカップではなく、マグカップにすることもSDGsへの貢献に繋がる。
【コーヒーと特に関係の深そうなGOALs(カラー)】
上記のような具体的かつ新たな活動も重要だと思うが、僕はそれだけが解決策(GOALs)では無いと思う。
例えば付加価値を付けられるほどの焙煎スキルや、抽出・提供技術をあげることで、顧客を増やし店舗での売上を伸ばす。結果として輸入量と価格をこれまで以上に安定的にフェアな価格で購入できるようにするなどは、最も順当なSDGsであり、各種諸問題への貢献なのでは無いか。
おわりに
photo by [Ajay Suresh]
日本国内でのSDGsの認知度はまだ30%程度だそうだ。また2019年最新のSDGs達成度ランキングによると日本は世界156カ国中15位(前年比±0)となっている。
SDGsのように世界的に認知度が上昇してくると、活動の効果が急速に高まっていく。企業は消費者の関心度が高まっているSDGsへの取組みにより力を入れるだろう。投資家も投資対象の評価に環境や社会問題への貢献度を反映させるようになるからだ。
僕はSDGsのみならず、こういった環境問題や貧困問題への取組みにおいて最も重要だと思うのは持続性(サスティナブル)だ。SDGsの‘S’がそれに当たるのだが、一過性や話題作りでなく、目標に取り組む側も、受ける側も双方が同じベクトルを向いて豊かになるGOALsを定めることで持続的な真の意味での解決に向かうことができるのではなかろうか。
コーヒー業界がその役割を認識して、世界に残された多くの課題解決の模範となっていくことを期待してやまない。
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