沖縄ではポピュラーな飲み方とされるコーヒー泡盛。現地コンビニでも売られているので、旅先で飲んだことのある方もいるのではないでしょうか?
実際に僕も毎年の沖縄旅行の際には欠かさず飲んでいるのですが、これがとっても美味しい。若者の泡盛離れを食い止めるために考案されたとも言われるだけあって非常に飲みやすくコーヒーとの相性が良い。
今回は、そんな沖縄県民に人気のコーヒー泡盛を、超本格的なクオリティで作ってみました。
コーヒー豆の状態で挽かずに抽出
作り方とコツは、とにかく新鮮なコーヒー豆を泡盛に数日漬けておくだけ。
なんとコーヒー豆を挽かないんです。粉にしない。コーヒーを詳しく知っている人からすると驚きですよね。作り方はたったそれだけ。簡単でしょ。
専用のコーヒー器具が無くても作れるので、お酒は好きだけどコーヒーの詳しいことには興味無い人でも楽しめる。
材料 【ingredients】
・コーヒー豆 : 中深煎り以上 gは上記参照
・保存ビン : 密閉できるもの
・ペーパーフィルター
・コーヒードリッパー
ペーパーフィルターとコーヒードリッパーは無くても作れるが(現地では使用されていない)、持っているならば必ず使用して欲しい。
泡盛とコーヒーは掛け合わせるとすっきりとした飲み口が特徴となるが、油分や雑味のもとになるコーヒー豆の粕などを取り除いておくと美味しさが格段に増す。
手順 【the recipe】
新鮮な深煎コーヒー豆を25g
中深煎り以上の鮮度の良いコーヒー豆を用意する。
焙煎後すぐの豆は二酸化炭素を放出しており、泡盛の吸収が安定しないので、焙煎後5日ほど経過したもののほうがより美味しく出来上がる。
美味しさにこだわるのであれば、スペシャルティコーヒーを扱うコーヒーショップの豆を使用することを強くおすすめする。特徴がしっかりと溶け出すので、産地や製法の異なる豆を使用することで様々な味わいを楽しめる。
容器を熱湯消毒
数日間コーヒー豆を漬け込むので、しっかりと消毒しておこう。
お好みの泡盛を用意
色々と試したがスペシャルティコーヒーとの相性が良かったのがこれ。菊之露酒造の菊之露。沖縄本島ではなく、ミネラル豊富な宮古の水が飲みやすい泡盛を生む。
そもそも泡盛は焼酎と比べても甘みが強く芳醇な香りが特徴。これにコーヒーの程よい苦味と香りが加わると口当たりと鼻から抜ける香りまで全てが心地よい。
単体ではこちらのブラウンよりもベーシックタイプの菊之露の方が癖が少なく飲みやすいと感じた。コーヒーを漬けると泡盛の独特の風味(癖)がかなり和らぐため、ある程度泡盛らしさも残したい人にはこちらがオススメ。
菊之露酒造 菊之露 ブラウン [720ml ]
菊之露酒造株式会社 公式HP
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コーヒー豆25gに対して泡盛を約250mlの割合
撹拌 (コーヒー豆になじませる)
しっかりと泡盛に漬けてあげると仕上がりも早くなり、均一に成分抽出が期待できる。
暗い場所で常温保存
1日経過 (軽くシェイク)
泡盛が浸透した豆は浮力を失い、瓶の底に落ちていく。
1日に1度、天地を数回逆にして軽くシェイク。
品質の良い豆は低温抽出では雑味は出にくいが、浸漬日数はできるだけ少ない方が良い。このようにして手を加えてあげることで抽出完了までの日数を早めることができる。
5日経過 (完成)
僅か5日間でしっかりと抽出完了。中の様子も分からないほど真っ黒だが、コーヒー豆は全て瓶の底に沈んでいる。
一般的なコーヒー泡盛の作り方では1週間〜1ヶ月ほど瓶の中に入れて抽出を行うものとされているが、味を追求するのであればオススメできない。長期間漬け込めば当然にコーヒー豆の雑味が多く出てしまうし、抽出されたコーヒーエキスの鮮度も落ちてしまう。
焙煎から時間が経過した古い豆や、焙煎度が浅い豆を使用すると泡盛がコーヒー豆に浸透する時間が長くなるため抽出日数が長くなりやすく結果として味を損ないやすい。
ペーパーフィルターで油分を除去
すっきとした味わいが好みの場合はペーパーフィルターを使用すると良い。長期間漬けたことでコーヒーオイルがかなり出ており、フィルターで除去しておくとクリアな味に仕上がる。
時間の経過した油分なので除去したほうがBetter。また、コーヒー豆の粕や欠片も沈殿しているため同時にカットできるのは嬉しい。
油分が取り除かれて、見違えるほどクリーンで美しい液体となる。
瓶に戻して濾過終了
完成したコーヒー泡盛は度数が高いのでロックだとかなり強め。水割りやお湯割りがスタンダードだが、個人的にはトニックウォーターと合わせて飲むのがオススメ。
トニックウォーターやソーダ割りで飲む場合はコーヒー泡盛を冷凍庫で冷やすといいよ。泡盛はアルコール度数が高いので凍らずトロッとした飲み口となり暑い夏には絶品だよ
コーヒー泡盛の水割りを紹介
氷を用意
- 丸い氷が作れる製氷機 click
コーヒー泡盛を60ml
水を60ml
水割りの場合は 【 泡盛 4 : 水6 】 を目安にお好みで
出来上がり
アルコール度数が高いので『濃いめ・強め』で飲むイメージがあるが、そんな必要はない。むしろコーヒーが引き立つ濃度を意識して水を入れるのがポイント。香りと甘みを愉しむようになると、産地からこだわったコーヒー豆の美味しさが相乗効果で引き出される。
終わりに
photo by [TAK]
泡盛とコーヒー。近年生まれた新たな融合はコーヒーの可能性を更に広げる愉しみ方であろう。焙煎した豆を泡盛に漬け込んで抽出するという独特の手法は、実は非常に理に適った抽出方法だ。低温でゆっくりと時間をかけて、細胞を壊さずに、酸化を抑える。粉ではなく豆のため浸透は遅くなり、よりゆっくりと。
品質の良いコーヒー豆が手に入りやすくなったことも追い風だろう。最近のコーヒーは、最後の一滴まで抽出しても雑味が出てこないものも多い。昔のように深煎にしたら真っ黒でどこの産地も品質も同じような味といったことも無い。
固定観念にとらわれず、柔軟性を持って愉しもう。沖縄県民も唸る風味豊かなコーヒー泡盛をぜひお試しあれ。
菊之露酒造 菊之露 ブラウン [720ml ]
菊之露酒造株式会社 公式HP
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