型番:PeDe Dienes No.508
年代:1951ー1960s
寸法:横9.5㎝ 奥12㎝ 高さ20㎝
特徴:1951年~1960sに作られたDienesのコーヒーミルです。PeDe Dienes No.500のモデルに追加料金オプションをセットし、木箱を〝高級なチェリーウッド〟に、ミル刃を細挽き可能な〝Moka〟にしたNo.508です。画像のとおりこの時代の高級チェリーウッドの木目の美しさは格別です。このNo.は豆の投入口や、粉受けBoxの留め具(位置が横ではなく上に付いている)にも特徴がある稀少なモデルでもあります。なおNo.500はブナ材。
日本ではコーヒーミルといえばZassenhausが有名ですが、欧州ではDienesも同じくらい人気。Pe.De社は、1869年にドイツの西、オランダに近い街レムシャイト(刃物で有名なゾーリンゲンや、鉄鋼の街ヴッパータール近郊の街)で、ピータ・ディエン(Peter Dienes)が創業したコーヒーミルメーカー。
創業者の縁者により、オランダでもミルを製造していた時期がある。オランダのDienesは刃の精度とミル箱の印象が多少異なる。最終的にはドイツもオランダの会社も、1962年にザッセンハウスに吸収され幕を閉じる。当時、ザッセンハウスとPeDeの競争は大変激しく、互いを意識したと思われる製品(ほとんど同じデザインのミル) がいくつも残されている。この競争が1950年代〜60年代の最高のコーヒーミルをいくつも生み出した要因だろう。
実はミルの心臓部とも言える刃の製造技術はDienesの方が上だとも言われている。Dienesは一時期、Zassenhausへミルの刃を提供もしており、まさにマーケティングのザッセンと、技術のディーネスと言えるだろう。