自宅でつくる浅煎りフルーティーな芳醇エスプレッソ

エスプレッソの愉しみ方

エスプレッソ(espresso)はイタリア語で急行とか速達といった時短を意味する言葉でもある。

ハンドドリップや浸水式の抽出がじっくりと時間をかけてコーヒーの旨味を抽出するのに対して、エスプレッソは高圧力をかけて20秒〜30秒の短時間で抽出する。コーヒー豆をレモンのように最後の一滴までギュッっと絞り出すイメージを想像して欲しい。旨味の全てが凝縮されて抽出された20ml〜30mlは至極の1杯へ形を変える。


 豆知識

イタリアでは通勤前や昼休みなどに自分の中のスイッチを切り替える際によく飲まれている。抽出後に間髪入れずにグイッと飲み干す。なんとも贅沢であるがエスプレッソは抽出後の鮮度が非常に大切。急速に高圧力で抽出する分、クレマや香りが損なわれるのも非常に早い。まさにespressoの文字通りスピードドリンクなのだ。


フルーティーなエスプレッソの作り方

①エスプレッソマシンを湯温96℃でスタンバイ

エスプレッソは一般的には90℃前後を標準とするが、浅煎り豆を抽出する場合は95-96℃で抽出すると味がボケずにバランスの良い抽出ができる。中深煎りでは92-93℃、深煎りでは90℃を目安にすると良い。

前作全ての改善点を克服したパーフェクトマシン前作Ascaso Dreamはここで紹介しているが、家庭用エスプレッソマシンとしては非常に完成度の高い魅力的な仕上がりとなっていた。今回その後継機としてPID(温度自動制御機能)付きの[…]


ascaso DREAM PIDモデル
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②抽出経路に湯を通して温める

抽出経路はエスプレッソ抽出前にかならず湯を通して温める。この作業をしないと①で湯温を調整しても意味がない。また抽出されるエスプレッソの理想温度も降下してしまう。

③レベリング&タンピング→セット

④エスプレッソ抽出

浅煎りのため薄い黄金色のクレマをまとった芳醇なエスプレッソ

⑤できあがり

美しい抽出後にすぐに飲んでしまうのは何とも勿体無い気もするが、口に含むとフルーティーな香りが鼻腔にフワッと広がり最高の瞬間に。このひとときを味わうのがespressoの醍醐味。

砂糖は通常入れるべきだが、浅煎りの場合は入れなくても酸味と芳醇な旨味を味わえる。一口目と二口目で砂糖の有り無しを分けても面白い。エスプレッソにおける砂糖は苦味を緩和するだけでなく、味に奥行きを持たせてビターチョコレートのようなスイーツの味わいに変化させる魔法の調味料。

スタバのエスプレッソでは砂糖は必須だが、一流の焙煎店のコーヒー豆で作るエスプレッソはストレートで飲んでも嫌な苦さは無い。一方に固執せずに是非そのときの気分で砂糖は使い分けて欲しい。

最後に

エスプレッソだから深煎りの真っ黒の豆を用意するというのは少し時代遅れな気がする。

無論、人それぞれで好みの味を選べば良いのだが、現在のエスプレッソはスターバックスに代表されるシアトル系のアレンジコーヒーの影響を大きく受けている

エスプレッソベースにミルクやシロップ、クリームなどを入れるアレンジコーヒーは、コーヒーが負けないように(カップも大きいので薄まらないように)エスプレッソは深煎りで入れることが必然となった。だからシアトル系のコーヒーショップでエスプレッソを単体で飲むと苦いだけのコーヒーと感じて嫌いになってしまう人が多い。

シアトル系コーヒーが流行する前は従来、浅く焙煎したコーヒー豆が広く使われていた。近頃のスペシャルティコーヒーのブームは、産地ごとに異なる豆本来の旨味を味わうというもの。エスプレッソも例外では無く、むしろエスプレッソこそ豆の持つキャラクターの全てを凝縮して抽出可能な手段なのだ。

『コーヒー豆は果実(フルーツ)である』

浅煎りフルーティーな芳醇エスプレッソを知るとあなたのCoffeeLifeはまた一段と豊かになるだろう。

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