銅製品はなぜコーヒーと相性が良いのか
使い込めば使い込むほど経年変化を楽しませてくれる銅製品。丹念に磨けば生まれたてのような輝きを放ち、時間を巻き戻すこともできる。
大事に使えば一生モノの銅製品は愛着が湧く代表的なTool。昔から一流の料理人たちに選ばれてきた銅製品。その特性は以下のとおりコーヒーとも相性ぴったりである。
- 熱伝導率が高い
- 温度調整のしやすさ
- サビに強い
- 手入れが簡単
- 殺菌効果が高い
コーヒーにとって熱伝導の良さは凄く大事。湯を沸かす際も、湯を通す抽出の際も、抽出後の保温の際も各時点の温度差を最小限にすることはコーヒの味に傷を付けない重要なポイント。
銅は全体に均一かつ素早く熱が伝わるため、温度調節がしやすくブレが少ない。また銅イオンによる抗菌性が高く、衛生面に優れる。劇的にコーヒーが美味しくなるわけでは無いが、こだわりの一杯をサポートしてくれるのが銅器具だろう。
銅製のコーヒー器具を紹介
開化堂の茶筒
こちらでも一度紹介している銅製茶筒。気密性が非常に高く、コーヒー豆の保存容器として利用できる。経年の変化がとても楽しい。
Zassenhaus no.613の銅製ハンドミル
現行モデルの”ハバナ“として継承。携帯性に優れるが通常使用としても刃が強く非常に良いグラインドが出来る。
玉川堂の流線文カップ
新潟県より無形文化財としての登録を受ける鎚起銅器の総本山。
玉川堂は200年以上に渡り銅を打ち、時を打ってきた技術と芸術の伝統は日本の誇り。このカップは夏場にアイスコーヒー用として使用。極上の飲み心地と空間を演出してくれる。
TSUBAME & Kalita 銅製ドリッパー
上記の玉川堂と同じ新潟県燕市より銅製のkalitaウェーブドリッパー。
職人ひとりひとりが磨き込んだ銅は時間が経っても美しく、熱伝導により美味しさもUP。抽出速度も通常のウェーブドリッパーよりも早く、比較的クリアな味を楽しめる。
- 銅製のkalitaウェーブドリッパー click
- created by Rinkerカリタ(Kalita)
富貴堂のコーヒーポット(900ml)
こちらも新潟県燕市の鎚起銅器の老舗、富貴堂が手がけるコーヒーポット。黄金色に輝く銅と、職人により丁寧に作られた注ぎ口の水切れが堪らなく使いやすい。
富貴堂のヤカン1L
熱の伝導率がよく沸騰が早い。ぽってりとした柔らかな形が温かさを感じる”The YAKAN”
終わりに
photo by Can Pac Swire
この他に日常よく使うものとして銅製のカップ(豆の計量時)や、抽出後のドリッパーの受皿、菓子類の皿なども使用している。
銅は使い込んでいく楽しさがあるため、知らず知らずのうちに身の周りの銅製品は増えている。紹介にあげた新潟県燕市の鎚起銅器などの伝統技術は、本来お茶文化との関係が密接であるが、時代とともに日本を代表する技術としてコーヒーの文化にも利用され始めており広がりを見せている。
毎日のことだから自分が愛着の持てるアイテムを持ちたい。見た目の美しさだけでなく、実用性に優れるコーヒー銅器具はそんなコーヒー好きの日々のCoffeeLifeを豊かにする一生モノの道具になるだろう。