【急冷式】夏にぴったりの爽やかな味。デルターコーヒープレスを使った新・アイスコーヒーの作り方

長い梅雨があけてようやく夏本番。僕の大好きなアイスコーヒーが美味しい季節がやってきた。この時期は月曜、火曜は滴下式のダッチコーヒー、水木金はアイスコーヒーで土日は水出しコーヒーといった具合で冷たいコーヒーばかり飲んでいる。

今回はそんな僕のアイスコーヒーのレパートリーから、デルターコーヒープレスを用いた真夏にぴったりの雑味の少ない爽やかなアイスコーヒーの作り方を教えます。

通常のアイスコーヒーとは別次元の、雑味や苦味の無い『新・アイスコーヒー』をぜひお楽しみください。

普通のアイスコーヒーと何が違うの?

『新・アイスコーヒー』とか大げさに書いちゃって。普通のアイスコーヒーとそんなに違いなんて無いだろ。って思われた方も多いと思う。

というか僕ならそう思ってしまう。今更そんな革新的な話は無いだろうと。だが、本当に全く味の質が違うのだ。これはDelter Coffee Pressの特性とも言えるところで、クリアなアイスコーヒーの抽出には非常に相性が良い。

熱々のホットコーヒーを氷で冷やしてアイスコーヒーを作る【急冷式】では、抽出されるコーヒーは氷で薄まることを考慮して普段より濃く抽出する必要がある。濃いコーヒーを淹れるために用いられる方法は以下のとおり。

  • 挽目を細挽きにする
  • 中深煎り以上の豆を使う
  • 粉の量を増やす

よくコーヒーショップで出されるハンドドリップで抽出したコーヒーを急冷してアイスコーヒーにする場合などは、上記の方法を組合わせて作られる。

この急冷式のアイスコーヒーと、水出しのコーヒー(コールドブリュー)の違いは、お湯を使って淹れたコーヒーを冷やして作るか、水からゆっくり抽出するかの違いだが、味においては急冷式はほろ苦い味になりやすく、水出しは香りと甘さを引き出しやすい。

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Delter Coffee Pressによる新・アイスコーヒー

さてデルター(Delter)によるアイスコーヒーは何が違うのか?についての答えだが

『粉と湯の接触時間の短さ』

これがデルターで抽出されたアイスコーヒーの美味しさの秘訣となる。先ほど記載したとおり、急冷式のアイスコーヒーでは濃いコーヒーの抽出のため主に3つの方法を用いるが、濃度の高い抽出には雑味や苦味が発生するデメリットを持つ。

ハンドドリップで挽目を細かくすれば湯の通りは遅くなり、粉と湯の接触時間は長くなり濃い抽出ができるが当然に苦味や雑味は出やすい。濃度を濃く出したいからといってエスプレッソ挽きにしてハンドドリップを5分かけて落とす人はいないだろう。

エスプレッソも同様で、挽目を細かくすればより成分が多く抽出されてしまう。だからこそ30秒程度で抽出を終わらせる。エスプレッソに3分かけて抽出するなんてことをしたら雑味のオンパレードだ。

要するに、挽目を細かくしてローストも強くするのであれば、理想は湯を早めに通して抽出すべきなのだ。これを圧力も使い最大限に効率よく発揮させるのがデルターコーヒープレスを使用した新・アイスコーヒーというわけだ。

デルターコーヒープレスは上の写真のヘッド部分(キャップ)と湯を投入するブリューチャンパー部分が仕切られており、プレスするまで湯と粉は接触しない。

そのため挽目を細かくしてもエアロプレスのように浸漬することもなく、過抽出(成分を抽出しすぎること)になる心配がない。また、プレスすることでアイスコーヒー用(細挽き)抽出時間は1分程度の短い時間で行うことができ、同様の挽目をハンドドリップするときに湯と粉が接触する抽出時間と比較すると大幅に雑味や苦味の発生を抑えることが可能となる。

それではDelter coffee pressの急冷式アイスコーヒーのレシピを紹介しよう。

デルターアイスコーヒーのレシピ

コーヒー豆  : 15g
挽目(粗さ) : 細挽き
氷      : 85g
湯量     : 100ml
湯温度    : 95℃
プレス回数  : 2回
挽目の目安(細挽き)

挽目は細挽きを使用。浅煎り豆の場合はかなり細かい細挽きでも良い。逆に中煎りでは中細挽きよりの細挽きを選択するとバランスが良くなる。

メッシュがを細かくするほどに、粉密度が上がりプレス時の圧力が増す。これを念頭にコントロールするとクリアでも濃度がしっかりした絶妙の抽出ができるようになる。
 僕の場合は浅煎り、中浅煎り、中煎りはデルターを使用、中深煎り以上はエアロプレスとハンドドリップでアイスコーヒーを作ることが多いよ。その日の気分で苦味を愉しみたい場合など中煎りでも中南米やブラジルなどの産地はエアロプレスがいいね。

作り方・手順

コーヒー豆を15g

細挽きにグラインド

フィルターを湯に湯通し

サーバーに氷を用意(85g)

湯を100ml投入

湯温度はブリューチャンバー容器投入後に下がることを考慮して95℃前後で投入。投入後に蓋(ドーサー)を付けたり、外したままにして放置するなどで温度コントロールをしてもよい。※プレスするまでは湯と接触しないため

ファーストプレス(40ml)

 プレス後20秒程度待蒸らす。

良い濃度でゆっくりと液体が氷を溶かす。見ているだけで美味しさを想像させられる。急冷できるように落ちたコーヒーが満遍なく氷と接触するように配置しよう。
 急冷式のときのこの画が何よりも好き。プレス系器具だと押しながら氷と絡み合う様子を間近で覗けるのがたまらない

セカンドプレス(残り全部 60ml)

サーバーをしっかり撹拌して完成

終わりに

Delter coffee pressを使った『新・アイスコーヒー』。スペシャルティコーヒーの個性あふれる豆のポテンシャルを存分に引き出し、愉しめる夏におすすめのメニューだ。

分量を決めればプレスするだけの簡単抽出法は暑さにバテ気味の真夏にぴったり。抽出理論に適ったその味は爽やかで甘く、あなたにとって至福の一杯となるはずだ。特に僕が驚いたのは、抽出後の飲みかけを冷蔵庫に入れて半日経過しても味は劣化することが無かったこと。

これは短時間抽出かつ急冷で雑味を出さないため、美味しさだけをしっかりプレスできている証拠だろう。この夏もデルターアイスコーヒーで、あなたの珈琲のある日々の涼となれば幸いである。

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